ボーイスカウト小平5団 カブ隊

東京都小平市で活動するボーイスカウト小平5団カブ隊(小学3年生〜小学校5年生まで)の活動記録です。

【番外編】座標をたよりに街を歩く。月の輪隊の読図ハイク

2026年2月15日(日)、小平第5団のくまスカウトたちは、月の輪活動としての読図ハイクに挑戦しました。

目的はただ一つ。「地図を読んで、自分の力で目的地にたどり着くこと」。スマートフォンもカーナビも使わず、頼るのは紙の地図とコンパス、そして自分の判断力です。

月の輪活動とは

そもそも「月の輪活動」とは、カブスカウトの最上級生であるくまスカウトが、ボーイスカウトへの上進に備えて行う活動です。

小学校5年の後半になると、くまスカウトだけの組を作り、月の輪リーダーという専任のリーダーの指導のもとでボーイスカウトの初級課目にとりくみます。

月の輪スカウトはカブスカウトの集会とは別に、月の輪チーフリングと月の輪章を着用し、「月の輪集会」の中でボーイスカウトの班活動に近い活動を体験します。

小5の4月にはボーイスカウト隊にスムーズに合流するための、大切な準備期間です。

今回の読図ハイクもそんな月の輪活動の一環でした。

事前準備 ― 地図を“読む”ために

読図ハイクの準備は、1週間前の2月8日(日)に行われました。

公民館に集まったスカウトたちは、コンパスを使い、方角の確認方法をおさらいします。北はどちらか、地図と現地の向きをどう合わせるのか。基本を一つずつ確認しました。

次に、国土地理院の2万5千分1地形図に4cm毎に縦横の罫線を引きました。 地図の左下隅を原点(0,0)とします。たとえば目的の場所の座標が(5, 3) であれば、横軸が原点から5つ右、縦軸が3つ上のマスを示します。実際には、(0369, 0196) のように4桁ずつの座標で、より細かい位置が指定されます。

カブスカウト達は、地図上の数字が、街のどこを示しているのか。戸惑いながらも、少しずつ座標に馴れていきました。

最後に月の輪隊長が告げます。「 2月15日は座標(0860, 0675)に集合。勇気と根性を忘れずにもってくること!!」

座標がわからないとハイクの集合場所にたどり着くことすらできません。こうして事前準備は終了しました。

コンパスは体の正面で水平に!
1mの鉄定規を借りて、線を引くスカウト。自分がスカウトだった頃、30cmの竹尺で苦戦したことを思い出しました。

当日のスタート ― 運命の封筒

読図ハイクの当日、月の輪スカウト7名が無事に指定された、小平中央公園じゃぶじゃぶ池に集合しました。 最高気温が17度という暖かい日。風もなく、長距離を歩くには絶好のコンディションでした。

朝のセレモニーの後、安全確保のためカブスカウト1人につきリーダー1人がマンツーマンで同行する体制が確認されました。

カブスカウトだけでなく、2025年にボーイスカウトへ上進した2級スカウト4名、そしてお手伝いの1級スカウト2名もハイクに参加しました。2級のボーイスカウトは、カブスカウトよりも長く、過酷なルートに挑戦します。

そして、いよいよ抽選です。

読図ハイクでは、全員が違うルートを通ります。距離や難易度にもばらつきがあります。スカウトは、おそらく短いルートとなることを願いながら、用意された7つの封筒から、1つを選びます。この瞬間、今日の「運命」が決まりました。

封筒の中の指示書には、それぞれ7つのチェックポイントの座標が書かれています。順番に訪れ、建物や場所の名前を記録することが求められます。スタートは9時半、タイムリミットは15時です。

リーダーから、毎時、本部待機のリーダーに電話して、現在地を報告するよう指示がありました。そして、交通安全が最優先すること。走ったり、地図を見ながら歩いたりすることは禁止という注意がありました。

無事、集合できた月の輪スカウト

運命の抽選

数字が並ぶ暗号のような指示書

それぞれの挑戦

カブスカウトたちの最初の目的地は、武蔵砂川駅日野駅に分かれました。同行のリーダーと二人一組になったスカウトたちが散っていきます。

電車移動の中で、地図を広げて、以降の目的地の座標を確認し、「このチェックポイントは交番かも」「川の近くだから橋かもしれない」と推測するスカウトもいました。

駅を降りたら、早速地図を開きます。線路や道路の伸びる方向から現在地を確認して、おそるおそる歩き出します。ここからはもちろん公共交通機関は使えず、徒歩のみです。

地図記号と実際の建物を照らし合わせながら歩きました。

ハイク中は、ルート選択も休憩も昼食のタイミングも、すべてスカウトが自分で決めます。昼食を後回しにして、先を急ぐスカウトもいました。

そのころ、ボーイ隊は過酷なルートに果敢に挑戦していました。

街は誘惑だらけ

頭の中に街を描く

多くのスカウトが、頭の中に空間をつくる作業に没頭する姿が見られました。

『地図によれば、この橋を渡り、4つ目の角を右折し、さらに5分歩けば神社があるはず・・・。あるはずだけど・・・。』

自分の読図に確信が持てないまま、それでも自分を信じて歩き続け、「本当に神社があった!」と目標を見つけたときの嬉しそうな笑顔。 スカウトの表情が、読図の楽しさを雄弁に物語っていました。

スマートフォンの地図は便利です。現在地もルートも、瞬時に教えてくれます。それでも、紙の地図をもって歩くワクワクは廃れないのだなと感じました。

地図に記載がある郵便局、交番、小学校などは読図ハイクでは頼もしい存在
心配になると地図を開く回数が増えます。

ゴール

スカウトは昼食休憩をはさみつつ、ゴールである小平の公民館を目指しました。

歩いた距離はスカウトによります。短めのルートでも10km、長いルートのスカウトは15km程度の距離を歩きました。

早いスカウトは13時半ごろにゴールしました。一番時間がかかったスカウトがゴールしたのは制限時間ギリギリの15時ごろでした。

これだけの距離を、自らルートを考えて歩くのは小学校5年生にとっては決して簡単なことではありません。7人の月の輪スカウト全員が、諦めずにゴールできたことは素晴らしいことでした。 付き添って、スカウトを鼓舞し続けた同行リーダーの存在も、大きな支えだったと思います。

解散する前に、より過酷なルートを歩いたボーイスカウトたちも集まって、みんなで反省会をしました。反省会ではあるボーイスカウトが、「みんな地図を見すぎ。ルート素早く決めて、地図を見る回数を減らして、ガンガンあるかないと!」とアドバイスをくれました。少し年上の先輩のアドバイスは、カブスカウトたちにどう響いたでしょうか。

「大丈夫、この道であってるはず」

おわりに

読図ハイクは、ただの街歩きではありません。自分で判断し、責任を持って行動する練習です。めでたく7人全員がゴールすることができました。この経験がスカウトの自信になればと思います。

ボーイスカウトへの上進に向けて、確かな成長を感じる一日となりました。

帰り際、くまスカウト女子から、チョコのプレゼント。今日一番うれしいかも。